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プレスリリース

食の“単調さ”はフレイルを進行させる:カギは毎日の「ちょい足し」

2026.2.5

Key Points

・地域在住高齢者を対象に1年間のフレイル転帰と食品摂取多様性の関連を検証した.
・ベースラインおよび,継続的に食品摂取多様性が高いことはフレイル転帰と関連していた.
・特に,大豆製品・海藻・果物を食卓に1品追加する「ちょい足し」はフレイル対策に役立つ可能性がある.

研究の概要

研究の背景と目的
高齢者のフレイルは重大な健康課題であり,可逆性を有することから,予防とともに改善・回復支援も重要視されている.これまでに栄養状態とフレイル悪化の関連は多数報告されているが,フレイル改善との関連は十分に検討されていない.そこで本研究は,地域在住高齢者における食品摂取の多様性の変化とフレイル転帰との関連を明らかにすることを目的とした.  

フレイル:年齢とともに,心身(体力や気力)が低下した状態  

研究の方法
デザイン:縦断研究,アンケート調査
対象:一都市在住の73歳と78歳 353名
期間:2023年6月と2024年6月

主要な評価項目:
■フレイル:基本チェックリスト
 1年間のフレイルステータスの変化からロバスト・改善群と非改善群に分けた(サブ解析:フレイル・悪化群と非悪化群).  
■食品摂取多様性スコアDietary Variety Score(以下:DVS)
 4点以上:高値(食品多様性が高い),3点以下:低値(食品多様性が低い)で評価し,低値/低値,低値/高値,高値/低値,高値/高値の4グループに分けた

主要な結果:
■群間比較 群間比較において,栄養の指標であるBMIや性別,一人暮らしに有意差を認めなかった.
群間比較では,非改善群に比べ,ロバスト・改善群で卵・大豆,大豆製品・海藻・いも・果物が有意に高値を示した(表1).

表1.ロバスト・改善群と非改善群におけるベースラインのDVS10食品の摂取該当割合

■二項ロジスティック回帰分析:
継続して食品摂取多様性が高いことは,ロバスト・改善に関連していた(図1).  
※オッズ比は図を参照.従属変数をロバスト・改善とし,年齢,性別,BMI,独居,各疾患,趣味,地域活動を調整した.

図1.ロバスト・改善群に関連するDVSによる栄養状態

ベースラインのDVS10食品のうち,ベースラインで大豆製品の摂取頻度が多いことはロバスト・改善に関連していた(表2).

表2.ロバスト・改善群に関連するベースラインのDVS10食品

※これらの二項ロジスティック回帰分析の結果は,サブ解析のフレイル・悪化群と非悪化群に分けた解析おいても同様の結果を示した.  

結論と意義
簡便な指標であるDVSを用いて,フレイルの改善と関連する初の報告であり,栄養に着目した新たな意義を示しました.継続した食品の多様性に加え,特に大豆製品などの日本の伝統的な食品,海藻や果物など意識しないと摂取が減少する食品がロバスト改善と関連していたことは,食卓に一品追加するという,私たちはこれを“ちょい足し”という多様性を高める親しみやすいメッセージとして名付け,その有用性が示唆されました.リハビリテーション栄養の視点から,今後の社会実装が期待されます.

論文情報

掲載誌:The Journal of nutrition, health and aging
論文タイトル:Association between frailty recovery and dietary variety among community-dwelling older Japanese adults: a longitudinal study from 2023 to 2024
著者名:Tamaki Hirose, Yohei Sawaya, Masahiro Ishizaka, Naori Hashimoto, Tomohiko Urano
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jnha.2026.100783

著者紹介

広瀬環
2013年  国際医療福祉大学 保健医療学部 理学療法学科卒業
2013年  国際医療福祉大学塩谷病院 リハビリテーション室
2018年~ マロニエ苑通所リハビリテーション にしなすの総合在宅ケアセンター
2020年~ 国際医療福祉大学保健医療学部 理学療法学科

関連ページ

リサーチマップ https://researchmap.jp/htamaki  

問い合わせ・取材申し込み先

国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科
広瀬環
E-mail: n-tamakiihwg.jp
電話: 0287-24-3018

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